女性自身
ライブ定番曲を集めた怒髪天の初ベスト盤、『D-N°18 LIVE MASTERPIECE(ディー エイティーン ライブ マスターピース)』リリースを記念して、前回に引き続き、増子氏による楽曲紹介をお届けします!
ライブではすっかりお馴染の楽曲群ですが、はたしてどんな想いが込められた曲なのでしょうか?


―DISC2―

■M-1 酒燃料爆進曲

DSC_1266.jpg結局、10年歌い続けている曲。
作った当時はこんなに歌い続けることになると思わなかった。
もう、この曲演らないとライブが終われなくなったぐらい、定番中の定番。
多分この10年、ライブでこの曲を演らなかったのって、2、3回ぐらいしかないと思う。
定番曲になったのは、やっぱり楽しいからだろうね。
お酒の歌って、これまで演歌やブルースに取られていたけど、ロックで歌うのも楽しい。
酒は好き、みんな好き。とにかく酔っ払って騒ぎたい!

■M-2 ドンマイ・ビート

日々の哀愁を笑い飛ばす曲。
実は哀しい曲なんだけど、ライブ向けだし、アホっぽくて楽しい。
こういう泣き笑い的なものって自分の中でも大事なんだよね。
ライブ中のダンスは、もちろんジョン・トラボルタの映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のキメポーズから拝借。
最近は、いわゆる「80thダンスビート」を若いバンドがお洒落に再構築してやっているけど、実際に80年代を体験した俺らが作るとこうなる。
要はダサイ!
このダサさこそが80年代。

■M-3 はじまりのブーツ

1年に何回か、スタートラインに立つことがあるよね。
正月とか入学式とか。
行事として、そこから仕切り直しするタイミングはあると思うけど、個人的な仕切り直しのタイミングは自分で決めていいんじゃないかな、と思って作った曲。

これは「ブーツ」にしたのがこだわり。
バッシュとかシューズとかスニーカーじゃダメで。
ブーツじゃないと、俺が歌っていて力が入らないから。

■M-4 トーキョー・ロンリー・サムライマン

歌詞の冒頭が「真夜中 駅裏 ラーメン屋」だからね、駅裏のラーメン屋って!
すでに一回飲み終わってシメのラーメンを食べるシーンから始まる。
そのダルい中で思うこと、誰もが思うことを歌っている。

DSC_1324.jpg■M-5 ビール・オア・ダイ

この曲もこんなに長くライブで演るとは思わなかったな。
しかし、「タリラリラリラリラ~」って酔っ払った雰囲気出てるよね。
赤塚不二夫的な状況で、いいお酒といい馬鹿具合が出てる。

ビールって不思議な飲み物だよね。
生きてて良かった、と思う飲料なんて他にない。
いくら高級なフカヒレのスープ飲んでも、ビールほど「生きてて良かった」とは思わないぞ。

ニュースで見たんだけど、「ロシアでビールがついに酒の分類に入った」って!
それまで一般食品だったのか、ビックリ。スゴイ国だ。

■M-6 ありがとな

俺が東京に来て良かったなぁ、と思えるのは、自分の仲間がいて東京で新しく友達ができる喜びがあるから。

昔、ラフィン・ノーズがイベントをやってて。
お客さんはいないし、来ているヤツらは数人だけで友達ばっかりだし、朝方はほとんど全裸だし、アニソンかけながら、全裸に塗ったケーキを舐めあうようなバカバカしいイベント。
そのイベントが終わったあと疲れた体で新宿を歩いていたら、同じく疲れたオカマとすれ違ってお互いに失笑。
そういう楽しい時間が共に過ごせるいい仲間に恵まれて、俺は幸せだと思うよ。
俺のまわりは俺も含めて馬鹿な友達ばっかりだし、なんの足しにもならないような友達なんだよ、互いに。
でも、そういう仲間がいるのは人生の宝物。
たとえバンドがうまくいってなかったとしても、その仲間がいれば生きてきて良かったと思えると思う。

ライブ中、歌っているとグッときちゃうけど、自分でグッとこないような曲を作ってもしょうがないからね。

■M-7 俺達は明日を撃つ!

DSC_1390.jpgこの曲は作ったとき、ドカンとくると思った。
これはいい! いい曲ができた! 絶対くるぞ!って。
結局、こなかったなぁ。

だからこそ、今でもライブで演るんだよ。
知らしめてやろうと思って。

今回のツアーで会場限定発売したシングルに「男達のメロディー」(SHOGUN)のカバー曲を入れたんだけど。
この「俺達は明日を撃つ!」は、「男達のメロディー」へのアンサーソングでもある。
歌詞の「誇り守る為に胸に喰らった弾丸の」部分なんかがそうだよね。
俺たちが影響を受けた曲への恩返し。

明日って未知だから恐い。でも必ず来る。
そういう恐いものに対して向かっていく勇気を歌った曲。

■M-8 男は胸に...

ライブでは、「俺たちは渡したから、お客さんたちに持って帰って欲しい」という気持ちで歌っている曲。
男って基本的には駄目なんだけど、それでも、だからこそ、強がっていくもの。
自分の駄目さを知らないと何もできない。過信するべからず。

■M-9 宿六小唄~ダメ男に捧ぐ~

俺は男に生まれてきて良かったよ、この「おとこうた」を歌えて。
こればっかりは男じゃないとね。
ちょっと寅さん的な部分って男ならみんな持っていると思うんだよ。
そういう男のダメっぷりを歌った。

■M-10 ロクでナシ

「ROCKでない奴はロクデナシである」という格言。
「ロックはろくでなし」と思う人もいるかもしれないけど、価値観の転換。逆転の発想。
まぁ、これは強がりだな。

■M-11 つきあかり

俺が今まで作った曲の中では、「俺の葬式に流してくれソング」のNO.1。

自分でもバランス良くできた曲だと思う。
たいがいは歪つなものが出来て、その歪つさも好きなんだけど、何年かに1回ぐらいあるわけ、すごくシンプルに言いたいことがまとまる時が。
「サムライブルー」もそうだったけど。

3月23日、素晴らしいアルバムが到着します! 怒髪天のライブ定番曲ばかりをたっぷり20曲も収録した『D-N°18 LIVE MASTERPIECE(ディー エイティーン ライブ マスターピース)』。
初心者でもすぐに怒髪天が分かる、トビキリ楽しい2枚組です!!


今、新しいお客さんが増えているからこんな一枚があればいいな、と思って作ったアルバム。
テッパン中のテッパン、ライブの定番曲ばっかり選んだ作品だから、間違いない!

キャリアの長いバンドでありがちなベスト盤は、「こっちのアルバムにはこの曲が入ってるけど、こっちにはこの曲が入ってない!」というシステム。
それは腹が立つから、いっそのこと2枚組にして詰め込んだ。

DSC_1134.jpg最初は"怒髪天の十八番"で18曲の予定だったけど、結局、計20曲に。
選んだ基準は、ライブで演っている回数を数値にして演奏回数の多い順。
メンバーみんなが自分のベストの曲を選んでいたら、まったく収集つかなくなるから!

演奏順に選んでみたけど、結果的には、どの曲も大事な曲ばかりになった。
良くこんなにいい歌ばっかり作ったものだな。

リリースの年数を考えると、やっぱり演奏回数が多いのは、「酒燃料」、「宿六」、「ロクでナシ」あたり。
最近だと「オトナ」とか「労働」が増えてきている。

何度もライブで演奏するということは、俺たちが楽しいから何回も演りたくなる曲ということ。
お客さんも楽しいし、俺らも楽しいよね。
このアルバムは新しいお客さんにもお勧め。
今から怒髪天のアルバムを全部揃えるのは大変だからね。

― DISC1 ―

■M-1 キタカラキタオトコ(フルバージョン)

CMでは「桃屋のザーサイ食う男~」と歌っている曲のアルバムバージョン。
歌詞の構想は、上京してすぐの頃から温めてきたもの。
こういう郷愁ソングは、しんみりし過ぎても駄目だし、アッパーだと哀愁が伝わらない。
ちょうどいいバランスで完成したと思う。
東京に来た頃は、北の国から出てきた者としての誇りも負い目もあったんだよね。
でも、それを忘れたことはないし、いつか歌にしたいとずっと思ってきた。

■M-2 喰うために働いて 生きるために唄え!!(新録バージョン)

去年のライブで「勝手にしやがれ」と一緒に演った時に、俺らが考える以上の素晴らしい出来で。
1回だけじゃもったいないから、もう一度録って収録した。

DSC_1162.jpgなぜ、バンドが長く続いてきたか。
この曲が答え。
「喰うために働いて 生きるために唄え」
これは、自分たちのスローガンだから。

昔、札幌時代に先輩と一緒に飲んでいるときに、良く言ってたんだよ。
「喰うために働いて 生きるために唄え」って。
そのころから言ってきたスローガン。

その先輩もまだバンドをやっていて、こないだ親父バンドコンテストかなんかで優勝してたからね!
先輩もまだやってるんだよね、「喰うために働いて 生きるために唄え」を。さすがだな!

■M-3 オトナノススメ

これまで世界を見渡しても「大人はつまらない」って曲しかなかった。
往年のパンクも名文句『DON'T TRUST OVER THIRTY』に対する自分なりのけじめ。
この曲をライブで演奏すると、すごくお客さんが盛り上がってくれて。
老若男女に伝わってて面白いよね。

■M-4 ド真ん中節

ライブではいつも「いったるぞ!」という気持ちで歌っている曲。
この曲は、誰の中にもある気持ちを代弁していると思う。
言いたいことがなくなるんじゃないかと思ったぐらい、この曲では言い切った!
大きなモチーフを歌うことも大事だよね。誤解も覚悟で。

■M-5 GREAT NUMBER

このジャパニーズロックは、もっと世界から評価されてもいいはずなんだけど。
今のところ、特に動きはないな。
一昨年のARABAKIで初披露したんだけど、お客さんとの化学反応が凄かった。

DSC_1319.jpg■M-6 労働CALLING

働く者の誇りと哀愁を歌ったワークソング。
みんな働いているわけじゃない、いろんな職業があるけど。
そこに誇りを持ってほしい。
辛いこともあるけど、喜びもある。
ライブで歌うときは、「働け!」という号令を、お客さんと、そして自分にも送っている!
なかばヤケクソで転がっていくぞ!

■M-7 全人類肯定曲~豪華管楽器隊参戦編~

ライブで「全人類を肯定するということは、自分自身も肯定すること」という俺の気持ちを、みんなに聴いてもらっている曲。
悩んでいる人がこの曲をライブで聴いて体を動かして、気持ちが楽になればいいなぁ。
この曲では、でっかいことに触れる曲に挑戦した。
作り終わったあとに、俺はすっごい細かいモチーフで曲を作るタイプだな、と再確認した。

■M-8 セバ・ナ・セバーナ

ライブに来てくれたお客さんにお礼を言いたくて作った曲。
あんまりシリアスにお礼を言うと重たいし、泣いちゃうから、バカな曲でお礼を言いたくて。
でも結局は泣き笑いになっちゃうけどね。

■M-9 NO MUSIC, NO LIFE.

フェスでピッタリな、音楽好きのヤツらに贈る曲。
音楽がなくても死にゃしないけど、なにか足りない。
すき焼きが牛肉じゃなくて豚肉だったときと同じくらい、足りない。
やっと入った店にビールがなかったときと同じくらい、足りない。
音楽ってそういうものだよね。








怒髪天がi-Tunes限定の配信アルバム『D-N°18 LIFE MASTERPIECE』(ディーエイティーン・ライフマスターピース)を2月23日に発表しました!
3月23日に発売になる『D-N°18 LIVE MASTERPIECE』とあわせて「怒髪天をもっと知りたい」という欲深いアナタにオススメするアルバムです。
そんな濃い作品を増子氏が解説してくれます。どうぞ!

DSC_1151.jpg今回の配信アルバムは、転機になった曲とか、思い入れがある曲をメンバーが持ち寄って選んだ18曲入り。
しかし選曲は難しかった。
自分らで出してみて思ったけど、やたらコアだよね。
怒髪天のことを知って「いいな」と思ってくれて、それで「もっと怒髪天を知りたい」と思う人に聴いてほしい。
なにしろ濃すぎる(笑)

ライブの定番曲や怒髪天の代表曲は、3月23日にリリースするベスト盤『D-N°18 LIVE MASTERPIECE』に2枚組でちゃんと入っているから。
それを聴いてライブに来てくれたら、すぐにでも楽しめる。

今回のi-Tunes配信アルバムは、ロック部門のデイリー2位にランクインしたんだよ。
ということは、なんと、世界で2位!!


配信アルバムの曲をいくつか紹介しよう。

■M-4 「吠-HOEROU-郎」

ロック的な要素と昭和的な要素、ジャズっぽさも入ってミックスされた1曲。
すごい自分の中で大きい曲。
なにしろこの曲に、俺がカッコイイと思う世界が全部、詰まっている。
作れたのがすごく嬉しかったなぁ。

ちなみに、ライブのセットリストを作るとき、よく俺は「吠-HOEROU-郎」を候補に入れるんだけど。
すぐに却下される(笑)


■M-7 「夢と現」

俺の中でとても大事な曲。
俺からみた俺目線じゃなくて、もっと俯瞰で客観的に見た歌詞に挑戦した曲で。
アナウンサーがニュースを読むような感じで、ただ羅列する。
それで、点と点がつながる。
自分の感情を入れず、寄り添い過ぎず、離れすぎず、まるで写真のような。

DSC_1280.jpgそんなドライに書いた歌詞の中で、最後に

― 夢は夢のまま壊れていっても
   誰もが 夢見ずに生きる事なんか出来なくて ―

と加えているけど、実は最初はこの部分はなかった。

だから、当初は救いもなくて、ひとつの光も見えない、絶望オンリーな曲だったし、俺はそういう感じも好き。
でもメンバーと話してて「最終的にちょっと開けるほうがいいんじゃない?」という話になって。
道標を作るのはどうなのかな、と迷って迷って、そうとう考えた。

この曲は2003年のアルバム『TYPE-D』に入っている曲。
36、37歳ぐらいなんだけど、今思えばそれでも若かったな~と思う。
俺の気持ちを最後に付けることによって、随分、曲の印象は変わった。
それが成功だったと思う。
だからこそ、もう一度、演奏したいと思うし、このベスト盤にも入った1曲なんだ。

■M-10 「むしけらブンブン」

この曲にこの歌詞を書いて提出したときに、普段は驚かない友康(怒髪天・ギター)がすごく驚いていた。

ひとつのモチーフがあって、自分の生活の中に取り込む。
例えばこれならフランツ・カフカの小説『変身』をモチーフにしたわけだけど。
その狭い世界を書いた。
演劇で言うとセットが動かず、密室の中で行われた世界。
そういう書き方をする転機になった曲。
曲がすごく変な面白い曲だったから、カフカの世界がすごく合っている。

とはいえ、カフカの解釈は俺なりのもの。
自分なりの解釈で、ちょっといい加減な形もいいかな、と。

■M-14 「オトコミチ・ケモノミチ」

この曲はテレビアニメ『銀牙伝説WEED』のサントラとして発表した曲。

もう、とにかく最高にカッコイイ曲。
アニメのシーンに合わせて作った曲だからライブでなかなか出来ないのが残念。

■M-15 「泣いてばっかのオマエに...」

これも大好きな曲。
俺らはサビ頭の曲も多いけど、この曲はイントロからAメロ、サビ、ラストと歌詞の世界がまとまっている。
歌詞の中で起承転結がうまく書けた。
自分で書いた曲だけど、ライブでやるとグッとくるもんなぁ。
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今回も引き続き、増子氏の思春期の思い出を語ってもらいました。

夏らしい夏を送ることができるのも子供の特権。皆さんも今年は夏を思いっきり満喫しましょうね!




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中学のころの俺のファッションセンスときたら、ちょっとヤバかった。


校則では白いスニーカーの決まりなのに、緑色のスニーカーに赤い靴ひもをはいて学校に行ってみたり。

逆にカッコ悪い!


ベルトもGIベルトっていうのが流行って。

要は作業べルトみたいなものなんだけど。

古いよなー、GIベルト。

なんであんなベルトが流行ったんだろうか?


友達にドヤンキーの子がいたりするんだけど、そういうヤンキーはやっぱりモテるんだよな。

「直ちゃんも頭パンチにしたら絶対モテるよ~」ってアドバイスをくれるのはいいけど、パンチはイヤだった!


で、太いジーンズにアロハシャツってのが、当時の不良のアイテムだったの。

俺も鮮やかなアロハシャツを着たいけど、もちろん親に買ってもらえないわけ。

だから、親父が慰安旅行かなんかでハワイアンセンターでもらってきた、紺色一色に白いハイビスカスが散りばめられた、か~なり、しっぶいアロハを着ていた。

中学生にしてはシブすぎて、全然、不良アイテムではない。

ハワイアンセンターの従業員みたいな格好で歩いていたな。


子供のころ、海に行った記憶といえば、小学校のときに親父が会社の慰安旅行で行っていたぐらいかな。

親父は建築業だから社員が全員ガラが悪くて。

俺たちのテントの周り、誰もいなくなってしまうんだよね。

広くなって俺らには良かったけど。


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そうそう、この間、初めて怒髪天が沖縄でライブをして。

沖縄の海の美しさテンションあがりすぎ。

異常に泳いだ!

ナマコを坂さんの頭にピタンってやって内臓を出して遊んだり。

熱帯魚いるー!ってハシャいだり。

バナナボートに乗ったり。

水着の女の子がたくさんいたり。


あんな水着姿、中学生が見たら度肝抜かれるだろうね。

ほとんど下着で歩いているのと一緒なんだから。

やっぱり実物で見ると、迫力がある。

俺らですら「あやややや・・・っっ!」って思うんだから。

この年になっても直視できない。サングラス越しじゃないと!


夏休みの思い出は、小学校のころ、親父がキャンピングカーで家族をキャンプに連れて行ってくれたこと。

婆ちゃんも猫も連れて行ったけど、猫は暑いところ駄目だから、全然楽しそうじゃなかったな。

弟と浜辺で遊んで、流木とか貝殻で拾ったり、楽しかったな。

うちの親父、当時は恐かったし笑ったところなんか見たことないけど、今考えると、親父も大変なのによく連れて行ってくれたなぁ。


親父の実家が新潟だったら、夏休みに新潟の家へ何回か行ったかな。

家の前の道路を渡ったら砂浜と海、という環境。

山の中を探検してみたり、虫を獲ったり。

新潟の家には囲炉裏があって、鉄瓶で湯を沸かしてもらって、漬物を食ってた。

でもトイレが外にあったんだよ。

夜は真っ暗で波のと音だけがザーザー聞こえて、恐かったー!

都会っ子の従兄弟も遊びに来てたんだけど、浜辺でゴレンジャーごっこしてたらその従兄弟がウンコふんじゃって泣いてんの。

俺らは大爆笑。


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中学のころ、夏になると心霊スポットに行ってみよう、みたいな話にはなるわけ。

近くに水槽の廃工場に行ったけど、それが住宅街の中にあるから、今、考えたら全然、恐くない。

記念品として水槽をひとつ持って帰った。

夏の怪談話としてはそのぐらい。


結論から言うと中2には絶対戻りたくない。

楽しい夏の思い出はいっぱいあるけどね。

今の頭で中2に戻ったら、バカバカしくってやってらんないだろうなぁ。

本当にアホだった(笑)




嬉し恥ずかし中2の夏休み。皆さんはどんな思い出がありますか?

今回は「真夏のキリギリス」の歌詞中にも登場する"中2"にスポットをあて、増子氏が甘酸っぱい恋の思い出を話してくれました!



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結局、中2から現在44歳に至るまで、約30回以上も夏をやってきたのに、まだ懲りていない。

いまだに夏にワクワクしてしまう。

人間のDNAに組み込まれてんのかな?

だって夏は楽しいもん。

寒くてワクワクしているやつ、見たことがないぞ。


しかし、中2の男はヤバい。

妙に異性を意識するけど、妄想と現実がかみ合っていない微妙な年齢で。

自分が何者かも分からないけど、なんでもできるような気がして、「世界は自分のもん」ぐらいの勘違いをしていた。

夏休みは夏季講習とか行くんだけど、他の学校の子と一緒になって可愛い子がいるかどうかが楽しみだったり。

ちょっと女の子がこっちを見ているだけで、自分のことを好きなんじゃないか、と思ってみたり。

そういう自意識が最もピークにある時期だね。

当時は「俺に彼女ができる日なんて来るんだろうか」というのが悩みだった。

それしか悩みがない。

素晴らしい時期だけど、悶々としている。

今考えたら頭おかしいよね。


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中2の男子が何をして遊んでいるかと言うと、だいたい男友達とつるんでいるだけ。

街中出て、集まって、ナンパ行こうゼー、なんて言ってみるものの、もちろん声ひとつかけられず。

じゃぁ帰るか、って自転車で家に帰る、それだけ。

結局は子供なんだけど、いろんなことに目覚めだけはある。


なにしろ、当時の中2は「鶴光のオールナイトニッポン」のことで頭はいっぱい。

これは本当にそうだから!

色気のある声優さんを呼んだり、お葉書を読んだり、エロい小説を読んだり、リスナーの女性とエロい話をしたり。

面白かったな~。

男子たちが集まったら、みんな鶴光の話ばっかりなんだから、必ず。

大人の世界をラジオで知って、でも中学生の知識では意味が分からんこともあるから「それ、どういうこと?」ってまた頭がいっぱいになる。

青春は深夜ラジオだなー。


深夜テレビになると、なかなか見られなかった。

子供部屋にテレビがある時代じゃなかったからね。

テレビ番組の「11PM」とかは、どっか旅行に行ったときとか、友達の親がいないときに泊りに行ったりしないと見られなかった。

婆ちゃんが入院していたときの病室用の小さいテレビで、こっそり観たり。

でも、観られたときに限ってお色気シーンのない回に当たったりするんだよ!

なんだ今日!ってガックリ!!


そういえば、中1のときに俺はフラれたんだよな。

友達と盛り上がって「お前、誰が好きなんだよ」って話になったときに、全員が好きな子の名前を言わなくちゃいけなくて。

俺も、よく知らないけど「可愛い」と思っていた子の名前を言った。

あげくジャンケンで負けた順に全員が告白、というルールになり。

それで、俺も告白したはいいけど、向こうにしてみたら俺の事なんか誰かも知らないし。

即、断られたよね。

ちなみに、男子全員が玉砕した。

中1の告白なんてそんなもんだよ。


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でも、その告白した女の子が、後に俺の幼馴染みと付き合うことになって。

居辛らかったな~。

幼馴染みとは高校まで一緒だったんだから。

どんだけ俺がイケイケな感じでいても、そのことだけは引け目に感じてしまうんだよ。

マイった! 困った! 苦い思い出だよ!!


中3になると、同級生の女子から呼ばれて。

「年下の子があんたのこと好きだから、付き合ってあげなよー」って言われて。

「いいよー」って返事したのはいいけど、当時、付き合いって何するわけでもないじゃん?

なにしろ友達と遊んでいるほうが楽しい時期なんだから。

学校帰りの時間も、休みの日も、友達と遊びたいからデートもしないし。

その子と何をしたか、というと、2回くらい一緒に帰ったことと、手紙をもらったこと。

そのぐらいかね。

手紙の返事も書いてない。

遊ぶのに忙しいから。

第一、一緒に帰っても、話すことがない。

だって男子と話しているのは鶴光のことばっかりなんだから!

さすがに女の子にそれは話せないでしょ!


今回は「真夏のキリギリス」のカップリング、「あの夏のバラード」と「夏のお嬢さん」のカバー曲について論じてもらいました。




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夏に屋外で遊んだ思い出って、子供のころしかないんだよな。

大人になって屋外の思い出といえば、やっぱり夏フェス。


夏フェスで一番楽しいのはお客さんで、知らない人と乾杯して、肩組んで、笑って、バンド観て。

マンションの隣の人も知らない時代に、フェスみたいに楽しいことって日常では絶対ないよね。

本当に素晴らしい。


いつまでもリストバンドを付けっ放しには出来ないけど、なんか外すのが惜しくて。

夏が終わる感じがして、フェスが終わるのが寂しい、終わってほしくない。

そういう気持ち、俺も一緒だから。

俺も出番が終わったら、飲んでステージからステージへお客さん用の導線を使って移動して。

ビール飲んでいい見晴らしの場所でバンドを見て。

完全に客目線でフェスを味わっている。


そんな気持ちと夏が終わるようなさみしい気持ちを表現したのが「あの夏のバラード」。


そして今回のカバー曲は、「渚のシンドバッド」や「夏のご用心」とか何曲か候補があったけど、意外とロックテイストなサウンドだった「夏のお嬢さん」に決定した。

振り付けもユルくていい。

榊原郁恵さんが歌っているけど、主人公が「僕」で男歌だから歌いやすかった。


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この曲は一発録り。

これは限っては、何度もニュアンス気にして録り直すもんじゃないでしょ。

「今のチュッチュッはちょっとハズした・・・」とか気にしている場合じゃないからね。


榊原郁恵ちゃんはハツラツとしていて、フレッシュで健康的なイメージのアイドルだったんだけど。

俺は小学生のころ、「健康美」なるものが全然分からなかった。

だって、当時小学生だった俺らの方が、よっぽど健康だから。

ピチピチで異常に健康!

今なら郁恵ちゃん見て、健康美ってこういうことか~って分かるんだけど。

だから当時の俺は、ピンクレディとか明菜ちゃんとかファンだったな。

ピンクレディの振り付けはよく覚えて、お楽しみ会で披露していた。


今回、夏の歌3曲入りでシングルを出したわけだけど。

とはいえ、俺は暑さに弱い!


札幌から出てきた当時、「東京は暑い」と聞いていたものの、「まぁ、普通に暑いんだろ」って東京の暑さをナメてた。

引っ越した当時、クーラーがない部屋を借りて。

お金が貯まるまでクーラーはなくても平気だと思っていたわけ。

最初の夏ですぐ駄目!

即、クーラー買った。


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寝ていて首の下にアセモなんか作ったの、赤ん坊のとき以来、東京が初めてだもんなぁ。

自分の首を見て、「これがアセモというやつか?」ってビックリした。

25歳にもなって「天花粉はたこうかなぁ?」って考えたもん。


この間、東京が猛暑三連続だった日、せっかくの休みなのに家のクーラーが壊れてしまって。

強制的に夏を満喫したよねー。

もう扇風機なんか全然、役に立たない。

熱風を送ってくるだけなんだから。

死ぬかと思った!


ここまで暑いとクーラー自粛のエコも命がけ。

地球への優しさも大事だが、俺の体も、とても大事にしたい。




 怒髪天の最新シングル、「真夏のキリギリス」はもうお聴きになりましたか?
軽やかなサウンドに彩られた怒髪天流のサマーチューン、この曲なしでは2010年の夏は幕が開きません!


IMG_6355.jpg「ド真ん中節」から、今回の「真夏のキリギリス」。
これは「ド真ん中節」みたいな核の部分だけで見られても照れるから、照れ隠しの意味もある。
「ド真ん中節」で本当のことを言ったあとは、「真夏のキリギリス」みたいな曲でちょっとフザけ、「ナンチャッテ!」って言いたくなる。
そんな流れもあって、夏のコンセプトシングル3曲入りが完成した。

怒髪天は全方向から見てほしい。
フザけたものも、真面目なものも、全部やって多面的にやっていきたいと思っている。
「ド真ん中節」から見た人は、次がいきなり「真夏のキリギリス」だと驚くかもしれないし、ガッカリする人もいるかもしれない。
でも、これまで長い目で怒髪天を見ている人なら、どんな曲をやってもガッカリのしようがない。
だって、悪ふざけも俺らのやり方なんだから。
一緒に楽しんでもらえればいいよね。
ここまで、出来るって自分たちも自信になった。

よくさ、バンドが売れると"踊らされてる感"アリな曲をリリースすることってある。
その流れに準じて俺らもこの曲を出したけど、誰にも「売れ筋な曲を出したねー」とは言われない!
そりゃそうだよ、今回の「真夏のキリギリス」は20年前の売れ線な曲なんだから。
今になって、あえて80年代Jポップにこだわる。
その妙技も、踊らされて感のある曲を出すのも、浮かれた感じも、俺らのやり方なんだけどね。
歌う期間が夏だけという贅沢感もいいよね。

IMG_6317.jpgさて、この曲は寓話『アリとキリギリス』がモチーフ。
「キリギリスのように夏に遊んでいると冬は大変なことになりますよ、アリのようにちゃんと働きなさい」という啓蒙的な話で。
確かにその通り。その通りなんだけど。

でも、「せっかくの夏をハジけないともったいない!」という思いが、年々強くなってきた。
もっと言うと、夏だけじゃなく毎日を無駄に過ごしている時間が、もったいない!
そう思うんだよ、40歳を超えると。
それに今思い返せば、これまで取りこぼしてきた夏もたくさんあると思う。

そこで、夏の正しい過ごし方を提案しようと。
「旅の恥はかき捨て」という言葉があるけど、「夏の恥もかき捨て」なんだよね。
そういうもんじゃない、夏って。
あの夏、どうかしちゃってたな・・・と思うぐらいのハッチャけ具合でいかないと、夏を楽しめない。

サウンドは、80年代Jポップへのオマージュ曲。
クレイジーケンバンドの高橋利光さんに参加してもらって。
完全に分かっている人にアレンジしてもらわないと、俺たちだけだとどうしてもロック風になってしまうから。

まぁ、普通のロックバンドは、夏の太陽とか海が似合う曲なんかないよね。
バンドマンの活動は「日没後」、田舎か都会かで言うと「都会」、アウトドアより地下のライブハウスに潜る「インドア派」。
第一、Jポップな夏の曲は、ロックバンドにとってはヘイトな部分なわけ。
でも我々の青春時代に完全に溶け込んでいたのは、80年代のJポップなんだよ。
確実にJポップを聴いて夏を過ごしていた。

IMG_6365.jpgあの期待ばかりしてしまうような、軽薄なサウンド。
ここをあえて「やっとく?」って思って。
どこまで自分たちに近づけると試してみたいという気持ちもあった。

80年代よりちょっと前なら渚系のバラードで、俺ら世代なら夏の曲はチェッカーズ。
だからこの曲は、チェッカーズ・マナーにのっとった1曲になっている。
コーラス・ワークもドゥーワップを意識して。
いい感じに軽薄な夏の曲が出来上がった。

サザン不在の今。
俺らが夏の代打を打っておこうと。
2010年は夏ソングがなかったねー、なんて言われたら困るから!

確かに、たくさんのアーティストが夏の歌を出すけど、いまどきのサマーチューンは季節感がない。
ジャパニーズ・レゲエも、オキナワン・サウンドも素敵だけど、一年中聴けるじゃない。
だから、嬉し恥ずかし、みたいな夏の歌をやっておきたかったね。

「この曲から怒髪天を聴く人はどう思うのだろう」と、ちょっと心配にはなるが・・・。


3月3日にリリースされる怒髪天のニューアルバム『オトナマイト・ダンディー』。
増子による曲解説もラストスパートです! 全貌が見えてきたら後は聴くだけだ!!

■M-9「アフター5ジャングル」

会社でおとなしくしてるけど、ナメんなよ、という曲。
草食男子への当てこすりもある。

IMG_1610.jpgいまや「アフター5」という言葉も聞かないよな。
しかし大人と言えばアフター5だろう。
"5時から男"的な。

アフター5は今回のアルバムに絶対入れようと思っていた言葉だから!
花金もアフター5も昭和的な匂いがする言葉だよなぁ。

メッセージとしては、人間はひとつの側面だけではないぞ、という。
自分の人格に潜むもう一人の自分。
会社終わって会ってみたら別人みたい!ということある。
学校以外で私服で会ったら可愛い!とか。
それに近い。


■M-10「我が逃走」

逃走と闘争。
同じ読み方でも意味が反対。
ドリフがビートルズの前座で「逃げろ!」って言ったと同じで、ひっかきまわして逃げる、やり逃げ的な逃走。

IMG_1628.jpgどんな人でも必ず勝負のときがくる。
それまで逃げられるんだったら逃げておいてもいいんじゃないか、と。

受験でもなんでも、人生が終わるわけじゃない。
そこが勝負どころじゃないし、逃げるという選択肢が残されていることも頭に置いておいてほしい。
逃げる=負けじゃない。

武士道という道は、俺にとって大事なもので男らしく生きたいと思ってきたけれど。
ちょっと待てよ、それも自分で勝手に決めてきた生き方から逃げるときがあってもいいんじゃないか、と思った。
俺が生まれる前から「逃げるが勝ち」という言葉もあったし。
「全人類肯定曲」で歌ったように、生きていることだけで勝ちなら、人生の中で逃げて生きのびる場面があってもいい。
わざわざ危険地帯に自分を追い込む必要はない。
死んでしまうぐらいだったら、逃げなさい。

今が勝負どきかどうか見極めるのは難しい。
戦国武将もそうだけど、見極めを失敗したら軍も国も失うわけだ。

サウンドは気楽なカントリー。
デッド・ケネディーズの1stで気狂ったアルバムがあるんだけど、最後の曲がプレスリーのカバーをした「ヴィヴァ・ラスベガス」で、明るく終わってる。
そういうのが好き。まだ続きそうで。
だから今回は最後にこの曲を持ってきた。

47分のカセットテープに入るアルバムがベストで、もう一回聴こうと思える。(今作は38分46秒)
最後がカントリーで楽しく逃げて、そしてもう一度、頭の「オトナノススメ」に戻って「オトナはサイコー!」とループする。
何回も聴いてほしい。
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大人の常識、大人のマナー、大人の生き方。学びたい人は迷わず怒髪天のニュー・アルバム『オトナマイト・ダンディー』を聴くべき!
増子が語る曲解説、今回も続きます!

■M-7「悪心13」

これはね、「やったろう!」と意気込んだ曲。
80年代~90年代にかけて、ストーンズの影響を受けたゴージャスなジャパニーズ・ロックンロール。
ハーレー乗ってステージに登場して女性コーラス従えているような。
ゴージャスなジャパニーズ・ロックンロールなサウンドからの、二日酔いという超ショボいモチーフ。
サウンドだけでは分からない。
曲はとにかくカッコイイ。
でも、二日酔い。
引きずるような音がガンガンしていて、ほんとに二日酔いの曲だ。

IMG_1631.jpgお酒は楽しいよ。
これまでも酒の楽しさを歌った曲はたくさん作ってきた。
でも、ここでキチッと「酒と二日酔いはセットになっていますよ」ということを教えておかないと、"オトナ"として。

リアルにこういうこと、あるからね。
シミも1年に1回ぐらい、二日酔いでリハに来ないことあるから。
「明日、行きます」って電話してくる。
「インフルエンザかも・・・」とか言ってたときもあったな。
嘘つくな! なにが「かも」だ!!

俺も二日酔いになるよ。
朝、本気で病気かな?と思う。
こんなに具合悪くて、俺、大丈夫かな!?ってマジで思うよね。
ちょっと頭を動かしただけで、脳みそがずれたみたいな頭痛が襲う。
頭が痛すぎて「わぁっ!」って声が出ちゃうから。
それが、だんだん、騙し騙し、具合が良くなってくるんだから不思議だよなぁ。

仕事とかバイトとか、俺も数えきれないほど二日酔いで遅刻した。
「・・・すみません・・・・・・具合悪くて...」って、わざと具合悪い声で電話して。
週2でやってたな。

13時って『笑っていいとも!』が終わる時間じゃん。
起きていいともが終わってたら、やっちゃった感が増すからねぇ。
同じ遅刻でも、午前中に起きるのと、いいとも終わりに起きるのでは全然違うから。

だからタイトルが『悪心(おしん・吐き気)13』。


■M-8「ふわふわ」

ちょうどアルバム作っているときに、バンド内が80年代ブームだったのよ。
トム・トム・クラブとか、アダム・アントとか。
そういうものがやりたくて。

波形処理を全部人力でやってるからね。
わざと息を切りながら歌ったり、2回歌ってずらして重ねたり。
ドラムの叩き方とか、全部人力。
ライブで見たら面白いよ。

IMG_1624.jpg
この曲も地に足がつかない感じ。
風邪薬飲んでぼんやりしているような、血圧上がらんような、上の空で現実感のない日。
たまにあるでしょ、こんな日。
それを生々しい切り取りで書いた。

子供は元気だからこういう日はないだろうけどね。
大人はこういう日がある。
雨が降る前日に首が痛くなったりするのも、大人ならでは。

「ふわふわ」もそうだけど、「ド真ん中節」の「ドンドドン」、「俺ときどき・・・」の「パラパラ」とか。
こういう擬音語で、ポエムではなく歌詞であるということをより意識した。
字面で見たときに100%ではなく、メロディに乗ったときに100%にするんだ、と。
音で表すことによって、言葉の意味がピークにくるように。
それが分かった。

歌詞で「ドンドドン ドンドドン」って書いてあってもなんのことか分からんでも、歌になったら最大限に活きる。
歌詞ってそういうもの。

これまで全部、言葉で表現しようと囚われていた部分があったと思う。
でも、ここ何年かそう思っていて、やっとそこに踏み込むことができたかな、と思う。
『北風小僧の寒太郎』の「ヒュルルンルンルンルン」もそう。
あそこは歌詞がいらない。
「ヒュルルンルンルンルン」で表現できる寒さや切なさがある。

擬音語も日本語のいい趣があるからね。
共通の認識で、日本語の素晴らしい武器だと思う。



今回も引き続き、増子自ら曲を解説。
大人の醍醐味を味わえるアルバム『オトナマイト・ダンディー』を語ります!


■M-4「オレとオマエ」

IMG_1590.jpg去年、一番最初にバンド組んだベースのやつと十何年ぶりかに会ったんだよ。
ソイツのお姉ちゃんにスターリンとかルースターズとか教えてもらったんだよね。

大人になればなるほど旧友と会う間隔が長くなってしまうけど、喜びも一入で懐かしくて。
こういう再会って大人ならではの贅沢だよな。
そんな実体験を基に気持ちを書いた曲。

サウンドは「ベストヒットUSA」的な80年代をイメージ。
ソイツとの思い出の時代も80年代だし、俺らの青春のサウンドだからキュンとくる。

友康がキーボード買って弾いてるんだよ。
歌詞だけじゃなくて音も、その曲の世界観に近づけたかったんだよね。

「オ~レとオマエ~」の部分とか、無理やり日本語を乗せている感じも80年代なんだよ。
違和感のある言葉の乗せ方。
ベタな80年代歌謡曲風を意識したんだ。

こんな音をつけられるのも贅沢なこと。
写真に音をつける、というか、映画に近いような感覚。

軽やかなサウンドに仕上げたのは、「またそのうち会おうぜ!」という気持ちを込めて。
しっとりと懐かしむ曲にはしなかった。


■M-5「俺ときどき...」

IMG_1602.jpgこの曲は、ほとんど安全地帯。
だからこそ「予感」というキーワードが外せない!

古い言葉で言うと"アンニュイ"な感じ。
そしてちょっとお洒落。
俺らが昔、抱いていた"東京"とか"大人"って、こういうアーバンなイメージがあるんだよ。

このコード進行は俺が一番苦手とするパターンなんだよね。
こういう気持ちになること、俺にも、ある。たまには。少ないけど。
なんともやりきれねぇーなぁ、満たされないなぁ、という気持ち。
嬉しいときは嬉しい曲、哀しいときは悲しい曲。
しかし、なんともないときの曲もあっていい。
つぶやきに近い、劇的ではない曲。
でも、それを表現しようとしたらこういう曲じゃないとダメ。

曲の完成度がめちゃくちゃ高かったから、挑戦して面白かった。

絶対、この曲は俺が歌わないほうがいいよ。
誰か歌謡曲として歌ってくれたほうがいい。
友康の曲のアレンジ、楽曲の素晴らしさが分かる曲だと思う。

Bメロの「~ひと雨くる予感~♪」のとこ、素晴らしくいいよ、グッとくる。
やっぱりさ、歌謡曲はBメロなんだよ。
Aメロで落としてBメロでひいてひいて、サビにパーンとなるという歌謡曲セオリー。
歌謡のマナーを完全に守った一曲だ。

この曲は俺とシミ(清水・ベース)が選んだ曲。
友康が「できるか? 大丈夫?」と心配していたけど。
「まぁ、ダメだったら友康が歌ってよ」と言っておいた。


■M-6「武蔵野流星号」

IMG_1618.jpgいわゆるラブ・ソングってこういう世界だと思うんだよね。
そんな劇的なことばっかりじゃないし。
でもさ、終電なくなってチャリンコで駆け付けるだけでも、二人にとってはドラマチック。

この曲は、周囲の人が意外と「いい」と言ってくれるから、困るよ。
すごい困るし、照れるわ。
うん、とにかく困る!
「こういう曲はちょっと・・・」と言われたほうが良かった。
意外とすんなり通っちゃったなぁ。



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ナニワ珍遊道

ブログプロフィール

「増子が論ずるのだ!」とばかりに、怒髪天のボーカルにして男の中の男・増子直純が語り尽くす「現代日本の問題点」。今の世の中、男でいきるることは難しい…しかし、俺たち男としてしか生きられない。女子たちよ、真の男の姿を知れ。王子だ、貴公子だという前に「男の心」を見つめようぜ!
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