横内 『地球ゴージャス』の舞台、ぜひ拝見したいと思いますけど、『地球ゴージャス』というユニット名はどういうことからついたの?
寺脇 さっきも言いましたが、1994年、自分たちでユニットを作り、その名前を何にしようかと考えていたとき、あの阪神・淡路大地震があったんですね。そのとき、一度僕らはすごく落ち込みました。寝る場所がない、食べるものがない 、風呂も入れないという人たちに対して、「僕らがやっていることって一番必要ないんじゃない?」と。
もし、自分たちが大工だったら家を建ててあげられる、料理人だったら料理をする。もちろん、手伝うことはできますが、何か自分がやっている仕事であの人たちに何か協力できることがあるかと考えても何もない。
それで大地震の後、吾朗と二人お酒を何回か飲んでいたとき「ちょっと待てよ、もうちょっとみんなに生活のゆとりができてきたら、そこで俺らは出番じゃないの?」という。僕たちは物を作ったりできないけれども、心の豊かさを与えることはできるんじゃないか! そう思ってつけたのが『地球ゴージャス』。「人の気持ちを豊かにする」劇団では恥ずかしいでしょ(笑)。ちょっとふざけようということで、日本といわず地球規模で、地球の全世界の人間の気持ちを豊かにしていこう! で、『地球ゴージャス』で、どうだ!と。なんか野球のチームみたいでいいでしょ(笑)。
本誌 少々話がずれますが、今、100年に一度の不景気と言われ、震災に遭われた方と同じとは言わないまでも、人々の気持ちがグッと落ち込んでいますよね。『地球ゴージャス』が人の気持ちを豊かにするのが目的であるならば、今、元気のない方たちにどんな言葉をかけますか。
寺脇 実際、職がなくなってしまった人たちに対して、僕が何を言っても「お前はいいよ、お金持っているから」と言われたらおしまいなんですが、そんな無茶苦茶持っているわけではないですよ。
でも、もし自分が職を失ったとしたら、何でもいいから、何かないのかなぁ?と考えますね。だって、バイトの募集がなくなっているわけじゃないですからねえ。条件が悪かろうが何だろうが、まず何かやったらどうかなぁと思いますけど、どうなんでしょう。
横内 僕も同じ、大賛成ですよ。やはり、みんな身勝手というか、わがままなんだよ。少しでも条件の良いものに飛びつこうとするから。フリーターみたいに遊びながら楽して稼ごうとする人が多すぎるのね。もっと汗水たらして働くことを厭わずやらなきゃだめ。
本誌 寺脇さんの場合、バイトをしながら、なりたいものに向かってがむしゃらになっていた時期もあったわけですよね。
寺脇 28歳までバイトをやりましたからね。
本誌 職がないと不安になっている若い世代に「もっとがむしゃらになれよ!」みたいな感情はありますか。
寺脇 「がむしゃらになれ!」というか、自分の好きなことが何かを見つけてほしいね。そのためには何でもできると思うんですよ。「好きなものが何にもないんだよ」というのが、一番悲しい。
無理だと思っても、「これが好きだ」というのがあったら、一回やってみるのもいいじゃない。うちの子供はね、小さいときから漫画が好きで、おそらく僕が漫画好きでよく描いて遊んでいた影響だと思うんです。普通は「漫画ばっかり読んでないで勉強しろ」と言いますが、うちは漫画をいっぱい買ってきて読ませましたよ(笑)。そうすると、好きなものができて、息子は今、漫画家のアシスタントをして頑張っていますけどね、好きだったら大変でも良いじゃない、何もない奴よりは全然幸せだと思います。
[E:camera]撮影/桑原 靖
