横内:いや~でも、今回藤吉ちゃんのあれだけよく泣くことに関しては驚くね。感心を通り超えて呆然。
三波:でも、横内さんはキラ星のごとくいろんな女優さんと共演されているからそういうところはよくご存知じゃなないですか?
横内:キラ星のごとく!って(笑)。
三波:もう松井須磨子さんから何から......(笑)。

横内:オイ! そんな俺はオジサンじゃないよ。まあでも、ホント確かにたくさんいろいろな女優さんと共演してきたけど、藤吉さんは今回、初めてだったんですよ。
藤吉:主人はとてもお世話になっていたんですけどね。
横内:そう、旦那様のね、太川陽介ちゃんは陽介ちゃんと呼びたいほど可愛い。その人がもうパパだもんね。でも、どうだった? 今回は家に帰ってもヨウスケさんがいるでしょう。
藤吉:「ヨウスケ」という言葉自体は、私とって一生呼びつけにできない名前だったんですよ。
横内:ほう?
藤吉:というのは、彼と会った段階で、「キミは僕より年下なんだから、〝さん〟付けで呼べ」と。
横内:カッコいい~!

藤吉:「ちゃん」もダメなんです。目上の人に対して、ちゃん、なんてあり得ないだろう、と。
横内:ヨウスケさまとか?
藤吉:さまとか(笑)。本名がイクオというので「イクオさん」とか。一生、呼び捨てできない名前だと思っていたのに、今回、ホント偶然。彼が台本の読み合わせをしてくれるときとか、「ヨウスケ!」って呼び捨てにしてしまって(笑)。
三波:藤吉さんて、「ヨウちゃ~ん!」とか「イクちゃ~ん」とか言うタイプなのかなと思っていたらけっこう古風なんですよ。九州女だし、旦那様は京男なんでね。
藤吉:もう、三つ指をついて「お帰りなさい」とか、三歩下がって歩くとかね。
三波:そうそう、それを自然にやってらっしゃるっていうのはね、素敵よ。
藤吉:ありがとうございます。
横内:京男と九州女っていうのはめずらしい取り合わせだね。
藤吉:すごくご苦労なさっているみたいで、あちらが。
横内:そうなの?
藤吉:奥さんが女優って大変だと思いますよ(笑)。
本誌:自宅で三つ指をついてらっしゃるんですか?
藤吉:三つ指まではついてないですけどね~ 三歩も下がってないですけどね~(笑)アレッ!?

三波:醤油は薄いとか甘いとかあるわけ?
藤吉:味ですか? 味は京風ですね。
横内:九州の醤油は甘いもんなぁ。
本誌:今回は男性役じゃないですか、ご苦労されることはありますか?
藤吉:そう、初めてなんですよ。以前、五木ひろしさんの舞台で、森の石松の役をやらせていただいたことはありましたけど。
本誌:現代劇としては初めてなんですよね。
横内:楽しそうにやっているね。何か研究はしていたの?
藤吉:台本をいただいた段階からオジサンをガン見してしまったり、っていうのはありますよ。
三波:じゃあ俺、もっとオジサンにやらなきゃいけないんだ。ゴメン!ちょっと若々しくて。
横内:三波さんのお父さんの感じとか?
三波:アハハ、こう手を広げてね(笑)。

藤吉:でもやり出したら、フッと気づいたら椅子とかにでも足を広げて座っているし、稽古場なのに、演技のないところで自然にこう
横内:とても自然だったよ(笑)
藤吉:ダメですよね。
横内:でもこれで芝居が終わっちゃってもその癖が抜けないと、太川陽介さんとしては困るだろうね。
藤吉:そうだと思います。どうしましょう、リハビリして女に戻していかないと。
本誌:また今回、この三越劇場でやられるということについてはどんなお気持ちですか?
藤吉:さっき、入口のロビーで「20数年前に(三越劇場に)お出になりましたね」って言って下さった方がいらっしゃいましたけど、昔、一度だけ出させていただいたことがあるんです。でもそのときは、こんなすばらしい装飾をぜんぜん覚えていないんですよ。改めて大人になってきて、素敵な劇場なんだ~!とビックリしました。
三波:これは価値がありますよ。
藤吉:今回15年ぶりに舞台に出るということで、ご案内差し上げて来てくださったお客様には、「お芝居だけじゃなくて劇場の雰囲気も楽しんでください」とお話しているんです。ないですよね、ここまでの劇場は。
横内:すごく歴史のある劇場でね。新劇から歌舞伎からいろんなお芝居をここでやってきているからね。僕の生まれる前からですから。

三波:そこでお芝居がやれるっていうのは光栄なことですよ。
横内:ステージから客席を見ていると小ぶりな感じもするんだけど、こうして客席に座ってみるとけっこう広いのね。
三波:そうなんですよ、けっこう広いですよ。ゆったりとしていて。
藤吉:見やすいですよ。
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